1. 公布日・施行日
公布日:2024年5月24日
施行日:2024年11月1日
- ※施行日前の道路交通法を現行法といい、施行日後の道路交通法を改正法といいます。
2. 知っておくべき主な改正ポイント
① 自転車の酒気帯び運転に対する罰則が新設されたこと
② 自転車のながらスマホの禁止及び罰則が新設されたこと
3. 改正の概要
(1)自転車の酒気帯び運転に対する罰則の新設(改正法117条の2の2第1項3号、117条の3の2第2号、3号)
前提として、「酒気帯び運転」とは、体内にアルコールを保有している状態で車両を運転する行為を意味します。
現行法では、自転車については、酒気帯び運転に関する罰則の対象外とされていました(なお、自転車の酒気帯び運転は禁止されていました)。
改正法では、自転車の酒気帯び運転も罰則の対象に含まれることになりました。そのため、自転車の酒気帯び運転を行った者には、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」に処されます(改正法117条の2の2第1項3号)。また、自転車の酒気帯び運転をするおそれのある人に対して、自転車を提供した者は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」に、酒類を提供した者や飲酒をすすめた者、運転者が酒気を帯びている自転車に同乗した者は「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」に処されます(改正法117条の2の2第1項第4号、117条の3の2第2号・3号)。
| 行為 | 刑罰 |
|---|---|
| 酒気帯び運転 | 3年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
| 自転車の提供 | 3年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
| 酒類の提供・同乗 | 2年以下の懲役または30万円以下の罰金 |
加えて、自転車の酒気帯び運転などの危険行為を3年以内に2回以上した者は「自転車運転者講習」の受講が義務付けられます(改正法108条の3の5第2項、道路交通法施行令第41条の3第2項)。この自転車運転者講習の受講を怠ると、「5万円以下の罰金」に処されます(改正法120条1項17号)。
(2)自転車の運転中のながらスマホの禁止及び罰則の新設(改正法71条5号の5、118条1項4号)
前提として、「ながらスマホ」とは、スマートフォンなど無線通話装置を手で保持して、自転車に乗りながら通話する行為、画面を注視する行為などを意味します。
現行法では、ながらスマホは、禁止されていませんでした。
改正法では、ながらスマホが新たに禁止され、罰則の対象に含まれることになりました。そのため、スマートフォンなどを手に持ち通話のために使用しながら自転車を運転した場合やスマートフォンの画面に表示された画像を手で保持して注視しながら自転車を運転した場合は、「6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金」に処されます(改正法118条1項4号)。
なお、ながらスマホも自転車運転者講習の対象となる危険行為に含まれます。
4.まとめ
今回の改正により、自転車で酒気帯び運転を行った場合には罰則の対象となり、また、自転車運転中のながらスマホは禁止され、行った場合には刑罰の対象となり、自転車の運転に関する規制や処罰が厳罰化しております。当該規制を知らずに、取り締まられた場合、報道されることによって個人だけでなく企業の社会的評価が下がってしまう事態になるため、従業員も含め注意喚起を行うことをお勧めします。
弁護士 森谷 拓朗
