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弁護士に学ぶ!成長のための企業法務~メルマガ版~vol.21(債権債務(リスケジュール))

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  2018年春から、帝国ニュース【北海道版】で「弁護士に学ぶ!成長のための企業法務」というタイトルで毎月1回連載させていただいています。

 ここでは、同連載でこれまで取り上げたテーマを振り返りつつ、法改正や実務動向の変化を踏まえて、要点のみを改めて端的に伝えていきます。

 今回のテーマは↓です。

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債権債務(リスケジュール)

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 新型コロナウイルス感染症の影響がボディーブローのように利いている多くの事業者がいます。

 先行きが不安な場合に、借入先金融機関に相談し、リスケジュールによって支払条件を緩和することで、体力を温存し、存続と再建を志向するという視点が有益です。

 転ばぬ先の杖として、内容をご確認ください。


1.リスケジュール

 経営が悪化し、その後も金融機関から借入ができなくなった場合には、企業を存続させるために、金融機関を含む債権者の一部に対する支払条件の緩和や支払猶予をして貰う必要が生じてきます。このように債権者への支払が苦しくなってきたときに、支払可能な計画に変更することをリスケジュールといいます。


 会社の資産よりも負債の方が多い状況を債務超過といいますが、債務超過になったからといって会社が直ちに倒産することはありません。会社が倒産するのは、資金繰りの悪化によって、支払時期にある債務を支払うことができなくなった場合です。

 事業全体としては黒字でも、ある一定の支払時期に、その時点で支払期にある債務を支払うことができなかった場合には、いわゆる黒字倒産という事態に陥ります。そのような観点からは、経営環境が悪化した状況下で倒産を回避するためには、いかに適切な資金繰りを組んでいけるかが大切です。どんなに厳しい状況に置かれていたとしても、何とか資金繰りの目途さえつけば、会社を倒産させることなく存続させ、再建を目指すことができるからです。



2.リスケジュールの検討事項

 リスケジュールの方法については、決まったルールや方法があるわけではありません。そのため様々な方法で行われますが、効果的なリスケジュールを行うには、①どの債権者に相談するかと、②支払条件をどのように変更して貰いどう支払していくかを検討する必要があります。以下、順に説明させていただきます。

(1)どの債権者に相談するか

 まず、どの債権者に相談を持ち掛けるかを検討する必要があります。リスケジュールというと、一般的には、借入れをしている金融機関に相談しながら進めるというイメージがあるかもしれませんが、リスケジュールの相談を持ち掛ける相手は金融機関だけに限りません。毎月行っている支払いを一定期間棚上げすることで、手元に資金を残し、その分を使用して会社を維持するための措置が取れれば良いので、借入れをしている金融機関以外でも、そのような対応を採ることに協力してくれそうな取引先がいれば対象に含めて検討します。

 具体的に例を挙げると、オフィスを借りている物件の賃貸人や、フランチャイジーとしてフランチャイズ事業を営んでいる場合のフランチャイズ契約の相手方であるフランチャイザーや、継続的に商品を仕入れさせて貰っている取引先や、リース契約を締結しているリース債権者や、税金などの公租公課の支払先などが考えられます。これらの考えられる全ての債権者を対象として列挙した上で、どの債権者に話を持ち掛けるのが効果的かを検討していきます。

 この検討を進めるにあたり有益なのが「債権者一覧表」の活用です。債権者名と債権の発生原因(借入金・賃料・リース料等)と月々の支払額などを一覧にまとめた表を作成し、その表を眺めながらどの債権者と相談するのが良いかを検討していきます。その際には、①まずは把握している全ての債権者を列挙する、②混乱を避けるために相談する相手は可能な限り限定する、③相談する相手はできるだけ信頼でき、かつ親身になって相談に乗ってくれそうな先にする、④自分たちと同様に厳しい状況にあると思われる取引先は対象から外し、体力がありそうな先に相談するといった点に留意しながら進めていかれると良いと思います。

(2)支払条件をどのように変更して貰いどう支払していくか

 次に、支払条件をどのように変更して貰い、どう支払をしていくかを検討します。日頃から、資金繰表を使って、月次レベルの締めや支払いの管理をしている会社も多いと思いますが、今一度資金繰表を精査した上で今後の対応を検討していただく必要があります。

 さらに状況の悪化が進んだ場合には日繰りの資金繰表を用意して確認することも検討します。いずれにしても、リスケジュールを検討する状況下では、正しい情報に基づき、場面ごとに適切な判断をしていかなければなりません。また、無駄な支出をしている余裕はないので、まずは、お手元の資金繰表に実態が的確に反映されているかを確認し、無駄な支出の根拠となる契約を解約するなど、取引の見直しを検討してください。

 そして、具体的にどのような支払条件に変更して貰うかですが、一定期間、全額の支払いを棚上げして貰ったり、一部の支払を棚上げして貰ったりといった方法で支払条件の変更を検討していきます。大切なのは支払計画の目途をいかに立てるかです。一定期間は支払いをしなくても良くなったとしても、その後もずっと支払いをしなくてよいわけではありませんので、あまり長期間に亘って支払いを止めてしまうとその間の滞留金額が膨らんでしまい、後に通常の支払条件に戻そうとしたときに、猶予期間中に棚上げしていた分の支払がネックになり、資金繰りが相当厳しくなることも予想されます。

 そのため、現実的な対応としては、当面のところ3か月~6か月程度の猶予を申し入れ、その後の返済についても債権者に相談させていただきながら対応を進めていくといったスタンスで進めるのが現実的ではないかと考えます。



3.リスケジュール以外の方法

 今回は、厳しい状況の中で資金繰りの目途をつけるための方法の1つとして、リスケジュールを紹介させていただきました。

 なお、リスケジュール以外にも経営状況を改善するための方法はありますので、仮にリスケジュールが上手くいかなかったとしても諦める必要はありません。その企業の置かれている状況で何か対応策も見つかると思いますので、不安が大きくなってきた場合には、企業の再建を扱う弁護士等の専門家に相談しながら、今後の対応をご検討ください。

弁護士 奥山 倫行