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司法書士って何をする人?

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1.ごあいさつ
 
 お読みいただきありがとうございます!アンビシャス総合法律事務所の司法書士大宮麻由美と申します。
 私は司法書士になって10年目ですが、「司法書士って何をする人なの?」「相続手続は、弁護士・司法書士・行政書士の誰に相談すればいいの?」などと聞かれることがあります。

 そこで、今回は、「司法書士は何ができるのか」「どの専門家に相談をすると手間や費用を抑えつつスムーズな問題解決につながるのか」などをぜひ知っていただきたく、少々お付き合いいただけますと幸いです。

2.司法書士にできること
 
 司法書士といえば、まずは「登記」です。 

■不動産登記
 名義変更や抵当権抹消など、土地や建物に関するさまざまな権利の登記手続を行います。

■商業・法人登記
 設立や役員変更など、会社や法人のさまざまな登記手続を行います。

 そして、登記以外にも以下のような業務が司法書士にはできます。

■相続・遺言に関する業務
 遺産分割協議書・遺言書などの作成をお手伝いします。

■遺産整理業務
 相続した預金や株式などの名義変更・解約の手続をお手伝いします。

■企業法務
 会社における法的手続や事業承継などに関する支援を行います。

■裁判業務
 相続放棄申述書や支払督促申立書など、裁判所に提出する書類の作成をお手伝いします。
 また、認定を受けている司法書士は、訴額140万円以下の民事事件であれば、弁護士のように、代理人として和解交渉したり、簡易裁判所で手続を行うこともできます。

 他にも、成年後見業務、財産管理業務、供託業務などがあります。



3. 誰に相談すればよいのか
 
 ここで、こう思われれる方もいらっしゃるかもしれません。

 「相続(遺産分割)に関する業務は、弁護士や行政書士もやってるみたいだけど、誰に相談すればいいの?」

 そんなご質問を受けたとき、私は以下のようにお答えしております。

 「遺産の分け方について相続人間でモメている、あるいは、モメそうな可能性が高い場合は、弁護士に相談してみてください」

 「遺産の分け方はすでに決まっており、書類作成や名義変更の手続きだけを依頼したい場合は、司法書士か行政書士に相談してください。もし、遺産の中に不動産がある場合は、司法書士に相談してください」

 同じ相続に関する業務でも、弁護士、司法書士、行政書士は、それぞれ「できること」「得意なこと」が異なります。

 例えば、特定の相続人の代理人になって、他の相続人と交渉することができるのは弁護士だけです。

 つまり、もし、司法書士や行政書士に依頼した後で、相続人間でモメてしまった場合、その後の対応は改めて弁護士に依頼することになります。

 このような場合は、最初から弁護士に相談していたほうが手間や費用を抑えることができたかもしれません。

 一方で、相続人間でモメることはなく、あとは遺産分割協議書などを作成して、財産の名義変更をするだけ、という状況であれば、こういった手続が得意な司法書士または行政書士に相談するのが、よりスムーズで、費用を抑えることもできると思います。

 特に、遺産の中に不動産がある場合、不動産の名義変更(登記)は司法書士が対応することがほとんどですので、最初から司法書士にご相談いただくことをおすすめします。 



4.余談ですが・・・

 私は、法律事務所で弁護士と一緒に働いていますが、こういう司法書士は札幌では少し珍しいかもしれません。

 私が法律事務所で司法書士をやっている理由はいろいろとありますが、そのひとつは「ワンストップサービスを提供できるから」です。

 例えば、「相続人間でモメていて、遺産の中に不動産がある場合」は、当事務所であれば、弁護士が他の相続人と交渉を行い、交渉が成立した後の不動産の名義変更は私(司法書士)が対応させていただいております。

 他にも、会社からのご相談では、株主総会、M&A、事業承継などで、弁護士と共にそれぞれの専門家としての視点から法的チェックを行い、一連の手続をサポートさせていただくことがあります。

 初期段階から弁護士と司法書士が情報を共有しながら進めますので、最後の登記手続まで確実にかつスムーズに進めることができますし、お客様にも、いろんな事務所に足を運んだり、連絡をとったりするなどの手間を省いていただくことができます。

 ちなみに、ワンストップサービスといえば、最近では、デジタル庁が推進する「引越しワンストップサービス」※が個人的に気になっています。

※マイナンバーカードを利用して、市区町村への行政手続だけでなく、ライフライン(電気・ガス・水道)などの民間手続も含め、引越しに伴う手続をオンラインにて一括で行うことを可能とする仕組みのこと

 手間のかかる手続がまとめてできるのはとても助かりますよね。


5.小括

 本稿では、私の初コラムということで、まずは司法書士について知っていただきたく書かせていただきました。次回以降は、より具体的な司法書士の業務に関わる分野のお話や、お役立ち情報などをお伝えしていければと思いますので、引き続きお付き合いいただけますと嬉しく思います!

司法書士 大宮 麻由美