以下の内容に心当たりはありませんか?必要な登記を忘れていると会社が解散してしまうことがあります。
□ 最後に役員変更登記をしたのがいつか分からない
□ 役員が何年も変わっていない
□ 定款で取締役や監査役の任期を確認したことがない
□ 「役員が変わっていないから登記は不要」と思っていた
株式会社の役員である取締役や監査役などには、「任期」があります。
役員の任期が満了した時には、株主総会等で改めて役員の選任決議が必要となり、その後、2週間以内に役員変更登記が必要となります。
また、株式会社だけでなく、一般社団法人や一般財団法人などの法人についても、役員の任期や登記について同様に注意が必要です。
なお、「特例有限会社」や「合同会社」は、原則として役員の任期はありません。
「役員が変わらない会社」ほど、忘れやすい
役員が新たに就任した場合や、辞任した場合などは、会社としても「登記が必要だ」と意識しやすいものです。
一方で、同じ役員が何年も続いている会社では、「何も変わっていないから、登記も必要ないだろう」と考えてしまいがちです。
しかし、「役員が変わっていない」ことと、「役員変更登記が必要ない」ことは別の問題です。
任期が満了した後、同じ人が引き続き取締役や監査役などを務める場合でも、株主総会等で改めて選任する必要があり、その結果として「重任」の登記が必要となます。
役員変更登記は、会社を長く経営していくうえで、忘れてはいけない手続の一つです。
登記を忘れると、どうなる?
リスク① 100万円以下の過料の対象になる可能性があります
役員変更登記に限らず、株式会社の変更登記は、原則として変更が生じた日から2週間以内に申請しなければなりません。
この期限を過ぎると「登記懈怠」となり、正当な理由がない場合には、会社の代表者個人が、100万円以下の過料に処される可能性があります。
もっとも、2週間を過ぎたら必ず100万円を払わなければならない、というわけではありません。
過料に処されるかどうかや、その金額については、個々の事情を踏まえて裁判所が判断します。
一般的には、長期間放置するほど、金額が高くなる傾向にあります。
そのため、登記を忘れていることに気が付いた時点で、速やかに対応することが大切です。
リスク② 登記簿の情報が古いままになります
登記には、会社に関する重要な事項を登記して公示することで、取引の安全や円滑に役立てるという役割があります。
ところが、役員変更登記など必要な登記を忘れていると、会社の現在の状況と登記簿の記載が一致しない状態になります。
普段の会社経営では、特に問題を感じないかもしれません。
しかし、例えば、金融機関との手続、重要な契約、M&A、事業承継など、会社の登記内容を確認する場面では、「登記簿上の情報が古い」ということが、手続の支障や説明の負担につながる可能性があります。
リスク③ 長期間放置すると「みなし解散」の問題も
さらに注意したいのが、長期間にわたって登記を放置してしまうケースです。
以下に該当する場合、会社が「みなし解散」となってしまう可能性があります。
□最後の登記をしてから12年を経過している株式会社(休眠会社)
□最後の登記をしてから5年を経過している一般社団法人又は一般財団法人(休眠一般法人)
つまり、「社長もずっと同じだし、会社も普通に営業しているから問題ない」と思っていても、登記を長期間放置すると、最終的には会社の存続に関わる問題につながる可能性があります。
もちろん、いきなり「みなし解散」になるわけではなく、以下のとおり、事前に公告・通知などの手続があります。

また、万が一みなし解散になったとしても、原則として、みなし解散から3年以内であれば、株主総会等の決議に基づいて継続の登記を行い、会社を解散前の状態に戻すことはできますが、余計な手間と費用が生じることになります。
一度、確認してみましょう!
「うちの会社は大丈夫」と思っていても、まずは、次の2点を確認してみてはいかがでしょうか。
① 最新の登記事項証明書で、いつ役員変更登記がされているか確認する
② 定款で役員の任期を確認する
「最後に役員変更登記をしたのはいつだろう?」
そう思ったときが、会社の登記を見直すよい機会です。
役員の任期満了時期などを確認したいときは、いつでも気軽に司法書士までご相談ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
司法書士 大宮 麻由美
