1. 公布日・施行日
公布日:令和3年4月28日
施行日:令和8年4月1日
2. 知っておくべき主な改正ポイント
① 不動産の所有者(登記名義人)は、氏名・名称・住所について変更があったときは、その変更日から2年以内に変更の登記申請が義務化
② 正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、5万円以下の過料の対象
③ 令和8年4月1日以前に住所等を変更した場合であっても、変更登記をしていない場合には義務化の対象
3. 改正の概要
(1)住所等の変更登記が義務化された背景
不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない土地、所有者が判明してもその所在が不明で連絡がつかない土地については、所有者の探索に多大な時間と費用が必要となり、公共事業や復旧・復興事業が円滑に進まず、民間取引や土地の利活用の阻害原因となったりすることが問題視されていました。
そこで、不動産の所有者(登記名義人)において、氏名・名称・住所の変更があったときは、これらの変更の登記を義務付けることによって解決を図ったというのが改正の背景になります。
(2)5万円以下の過料
不動産の所有者(登記名義人)は、氏名・名称・住所について変更があったときは、その変更日から2年以内に変更の登記をしなければなりませんが、期間を徒過した場合でも直ちに過料の対象となるわけではありません。
登記官が過料通知を行うのは、義務に違反した者に対し、相当の期間を定めて義務の履行を催告したにもかかわらず、正当な理由なく、その期間内に申請・申出がされないときに限られます。
(3)正当な理由
義務の履行期間内において、以下のような事情が認められる場合には、それをもって一般に「正当な理由」があると認めることとしています。例えば、住所等変更登記の義務を負う者自身に重病等の事情がある場合や登記に要する費用を負担する能力がない場合等がこれに当たるようです。
なお、「正当な理由」は個別の事案における具体的な事項に応じて判断されます。
4.まとめ
不動産の所有者(登記名義人)は、氏名・名称・住所について変更から2年を経過した場合でも、直ちに過料の対象とはなりませんが、ご自身が所有している不動産の登記を再度確認されることをお勧めします。
弁護士 森谷 拓朗 弁護士 戸嶋 功太郎
