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【事業性融資推進法】不動産担保も経営者保証もいらない融資を受けるチャンス!

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1. 公布日・施行日

 公布日:2024年6月14日
 施行日:2026年5月25日


2. 知っておくべき主なポイント

 ① 会社の総財産(事業全体)を担保にできる新しい担保権「企業価値担保権」が創設
 ② 不動産などの個別資産ではなく、事業の将来性を含めた企業価値そのものを担保評価
 ③ 企業価値担保権は商業登記簿に登記
 ④ 債務者の粉飾等の例外を除き、経営者保証の利用を制限
 ⑤ 担保権実行時には企業価値を損なうことがないよう事業譲渡の対価を融資の返済に充当


3. 改正の概要

(1)制度導入の背景

 有形資産に乏しいスタートアップや、老舗企業であっても不動産の担保評価が低い事業者は、優れた技術力・ブランド力・将来性を有していても、従来の担保制度(不動産担保や経営者保証)のもとでは資金調達に苦労するケースが少なくありませんでした。
 こうした状況を踏まえ、不動産担保や経営者保証に過度に依存せず、事業の実態や将来性に着目した融資(事業性融資)を後押しするため、「事業性融資の推進等に関する法律」が制定され、新たな担保制度である企業価値担保権が創設されました。

(2)企業価値担保権とは

 ア 制度の仕組み

 企業価値担保権は、個別の資産ではなく、会社の総財産(事業全体)を担保目的財産とする担保権です。財務情報(過去の実績)に加え、技術・ノウハウや事業計画といった定性的・将来的な情報を踏まえて、事業全体の価値に着目して設定される点に特徴があります。

 イ 従来の担保制度との違い

 企業価値担保権は、不動産担保・無担保・株式担保のいずれとも性質が異なります。
 不動産担保は、個別資産が対象で融資時点でも価値を見込みやすいのに対し、企業価値担保権は総財産が対象で、その価値は倒産時でなければ予測が困難です。
 無担保は、他の債権者と按分され担保権に劣後するのに対し、企業価値担保権は無担保等に優先し、詐害的な財産処分を無効にできる点で異なります。
 また、株式担保は、あくまで借り手の株主が保有する株式(株式価値)が対象であるのに対し、企業価値担保権は、借り手である会社自身の財産(企業価値)を対象とする点で区別されます。

(3)想定される活用場面

 金融庁等が示す想定活用例を踏まえると、主に次のような場面での活用が期待されています。

 ① 成長局面:有形資産を持たないスタートアップ・ベンチャー・地域中小企業への融資等
 ② 承継局面:事業承継に伴う資金調達(新経営者の個人保証負担の軽減)
 ③ 再生局面:新たな事業計画・経営体制下の下での融資等
 ④ M&A・プロジェクトファイナンス:既存の全財産担保設定と比較した設定手続の簡便化・コスト削減


4.まとめ

 企業価値担保権は、不動産担保や経営者保証に過度に依存しない資金調達を後押しする、まったく新しい担保制度です。事業の将来性に基づく資金調達がしやすくなる一方、事業計画等の提出機会の増加や、重要財産処分時の金融機関との事前協議など、実務上留意すべき点もあります。
 詳細は、金融庁のHPをご覧ください。
(金融仲介機能の発揮/事業性融資の推進(企業価値担保権等):金融庁)

弁護士 森谷 拓朗 弁護士 戸嶋 功太郎