1. 公布日・施行日
公布日:2025年6月11日
施行日:2026年4月1日(情報公表義務に関する改正部分)
※女性の職業生活における活躍の推進に関する法律を女性活躍推進法といいます。
※改正後の女性活躍推進法を改正法といいます。
2. 知っておくべき主な改正ポイント
① 男女間賃金差異の公表義務の対象企業の拡大
② 従業員数101人以上の企業に情報公表が義務付けられる項目の追加
3. 概要
(1)女性活躍推進法の改正
2025年6月11日、女性活躍推進法の改正が公布されました。改正項目は多岐にわたりますが、今回は事業主における女性の職業選択に資する情報の公表義務に関する改正について紹介します。改正法の施行日は改正項目ごとに異なりますが、当該義務の改正は2026年4月1日に施行されます。
(2)男女間賃金差異の公表義務の対象企業の拡大
従前、女性活躍推進法では、常時雇用する労働者が301人以上の企業に対してのみ男女間賃金差異の公表が義務付けられていました。改正法においては、この公表義務の対象企業が拡大され、常時雇用する労働者が101人以上の企業はすべて公表義務の対象となります。
公表方法は特に定められていませんが、厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」の利用が推進されています。公表は以下のイメージのように数値で行うことになりますが、企業の実情を正しく理解してもらうために「説明欄」を用いて男女間賃金差異以外の情報を任意で公表することも可能です。
男女間賃金差異の情報公表のイメージ
| 区分 | 男女間賃金差異 (男性の賃金に対する女性の賃金の割合) |
|---|---|
| 全労働者 | XX.X% |
| 正社員 | YY.Y% |
| パート・有期社員 | ZZ.Z% |
【任意で追加的情報を公表する「説明欄」の活用例】
- 男女間賃金差異の背景事情の説明
- より詳細な雇用管理区分や属性(勤続年数、役職等)ごとでの男女間賃金差異の説明
- 複数年度にわたる男女間賃金差異の変化の説明
(3)従業員数101人以上の企業に情報公表が義務付けられる項目の追加
従前、女性活躍推進法では、女性管理職比率の公表は義務付けられていませんでした。改正法においては、常時雇用する労働者が101人以上の企業を対象に、女性管理職比率の公表義務が新設されました。
公表方法は、前述の男女間賃金差異と同様に、「女性の活躍推進企業データベース」の利用が推進されます。
情報公表の必須項目
| 事業等規模 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 301人以上 | ・男女間賃金差異 ・上記のほかに※1 | ・男女間賃金差異 ・女性管理職比率 ・上記のほかに※1 |
| 101人~300人 | ・上記のほかに※2 | ・男女間賃金差異 ・女性管理職比率 ・上記のほかに※2 |
※1:①女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供に関する実績から1項目以上、②職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備の実績から1項目以上の、計2項目以上。各項目の内容は厚生労働省が公表する資料に掲載されています(7頁)。(https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001216815.pdf)
※2:①及び②の全体から1項目以上。
4.まとめ
今回ご紹介した改正に限らず、男女共同参画社会の実現に向けた企業に対する要請は目まぐるしく変化しています。事業主にとっては、女性の社会進出推進のための施策を常にキャッチアップしていかなければ、すぐに時代遅れとなってしまう世の中です。
女性の社会進出の支援の在り方についてお悩みの際には、お気軽にご相談ください。
弁護士 森谷 拓朗 弁護士 橋本 健志
